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観る者の心をざわつかせる映画『MANRIKI』の引力とは?(名古屋舞台挨拶レポート)

映画『MANRIKI』の公開記念舞台挨拶が12月12日名古屋センチュリーシネマで開かれた。

映画『MANRIKI』は永野、斎藤工、金子ノブアキ、清水康彦を主要メンバーとする「チーム 万力」により製作された。孤高の喜劇作家・永野が22年間ライブで温め続けたコント群を脚本化し、それを元に斎藤工プロデュース、音楽監督に金子ノブアキ、清水康彦が長編初監督を務めた。

企画・プロデュース・主演の斎藤工さん、原作・脚本の永野さんが登壇。観客から質問も受け付けた。司会は飛び入りで参加の映画パーソナリティ松岡ひとみさん。

斎藤工さん
「名古屋はね、住みたい街ナンバーワンなんです!」

松岡さん
「公開2週目ですが、今日は満員です!」

永野さん
「ありがたいですね」

斎藤工さん
「(永野さんのヴィジュアルを見て)誰ですか?(笑)」

永野さん
「わからないですね。もう考え過ぎて性別超えちゃって。気難しい映画評論家みたいになっちゃいました。皆さん、これから観られるんですよね?」

永野さん

永野さん

松岡さん
「斎藤さんは…」

永野さん
「斎藤静六です!」

斎藤工さん
「斎藤静六です(笑)。今日は意味深い鏡、キーアイテムを持って来ました」

斎藤工さん

斎藤工さん

松岡さん
「今日はセンチュリーシネマで観ていただく意味がありまして。ここはシネマスコープがあるんですよ」

斎藤工さん
「元々プラネタリウムなんですよね?ここは」

松岡さん
「カーテンが横に開いてスクリーンが出てくるのはここしか今ないんです」

永野さん
「支配人さんも、シネマスコープだからオープニングがかっこいいって言ってました」

斎藤工さん
「ここのために作った映画なので、タイトルも変えちゃいましょう」

永野さん
「『センチュリーシネマ』に変えます!」

松岡さん
「さっきの舞台挨拶では『シャチホコ』って言ってませんでした?(笑)」

永野さん
「言ってましたね。人によって態度を変えるんです。好かれたいので」

松岡さん
「そんな中でモヤモヤしたものを映画にしたんですね」

永野さん
「そうなんですよ」

松岡さん
「上映前なのでネタバレはダメですが、皆さんは聞きたいことがあると思うので聞いてみましょう」

観客から
「京都から来たんですが、関西の上映の予定は決まっていませんか?」

斎藤工さん
「この映画を持って明後日から永野さんとパリの映画祭に行ってくるんですが、世界を観てから、日本に凱旋という形で上映するのがふさわしい映画だなと僕は思って企画したので、今のところ上映は先行上映という思いです。来年も含めて大きくでなくともじっくり上映していきたいなと思っています。もちろん関西も含めていろんな所に行きたいです。手渡しでこのカンフーおじさんと一緒に(笑)」

永野さん
「おばさんかもしれないですね(笑)」

斎藤工さん
「そう、銭湯でおじさんだと思って話していたらおばさんだったことがありまして(笑)」

『MANRIKI』に込められたもの

松岡さん
「この映画はジャンルをホラーなのかアートなのか決められないというか」

永野さん
「みなさんがどういう反応になるか気になりますね」

斎藤工さん
「企画書が主要映画会社全てに通らなかったんですね。企画書にこういうジャンルです、こういう人が出ますと書くようなマニュアルみたいなものが今は決まっているんです。知らぬ間にその枠の中にはまるものしか映画で描けなくなって来ているんですよ。テレビドラマもそうで、大体同じキャスト、内容でやってません?僕もたまにその中にいるので何とも言えないですけど」

永野さん
「ど真ん中に立っているときもありますし」

斎藤工さん
「なんですけど、特に映画はテレビじゃ出来ないことをやるべきなんです。そうじゃないと僕は映画館に行きたいと思わないんですよ。そういう意味では3年かかりましたけど、僕らの社会に対するいろんな鬱屈した怨念みたいなものもこの『MANRIKI』に宿っていますのでしかと受け止めていただきたいですよね?」

永野さん
「おそらく関西にも行くと思いますが、工くんは日本では最後に公開するのがいいんじゃないか、今の公開は早いかもしれないと言っていたので、関西で今やらないから「あ、しないんだ」というわけでは全くなくて」

観客から
「名古屋に来てくださってありがとうございます。斎藤さんはお医者さんの役を過去にも演られていますが、もしなるならお二人は何科のお医者さんになりますか?」

永野さん
「この『MANRIKI』には美容整顔師という職業が出てくるんですが、この3年この映画に没頭し過ぎたので美容整顔師になってみたいです」

松岡さん
「実際にはない職業ですか?」

斎藤工さん
「それが、あるんです。リサーチしたんですけど、美容整形というとメスを持つイメージじゃないですか。でも整顔師は東洋医学に近くて。頭蓋骨は23の骨で形成されていますが、その隙間を無くすという施術なので、メスは使いませんと整顔師さんはおっしゃってました。僕はなるなら小児外科医です。日本にも素晴らしい小児科の先生がいらっしゃいます。これからもドラマを通じて小児外科に光を当てたいと思っていますが、この映画では顔面ぶっ潰します」

永野さん
「フリになってますね(笑)。あいつらどっちが本当になんだって。嬉々とした顔でやってますからね(笑)」

言葉に出来ないから映像にする

観客から
「劇場で公開するこだわりや、劇場で観るために作られた部分があれば教えてください」

斎藤工さん
「永野さんの頭の中って異次元、アートな世界だと思ったんです。ネタだけ観ていると一般的には何を意識しているの?って感じですが…」

永野さん
「草間彌生…アートと言えば」

斎藤工さん
「やめてください!(笑)。日本だとラッセンとか昼顔の人というイメージでやらせていただいていますけど、それはそれでありがたいんですが、僕は映画ファンとして観たことないものが生まれる自信しかなくて。僕が出来ないことを出来るんじゃないかっていう確信に変わっていったんですね。もちろん仲間が増えていくということだけではなかったので、なかなか苦しい時期もあったんですけど、その苦しさも作品に込めて、結果ものすごい深いものが出来たなあと思っていますね」

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永野さん
「製作が詰まっているときもみんなもう諦めていたんですよ。「やっぱ無理なんだね」って。ですけど工くんは逆に燃えていて。結局実現に至って。全然売れてないときから「永野さんのネタはすごく映像的だ」って言ってくれていて、嬉しくて喜んでいたんですけど、今回は『MANRIKI』というある種のおもちゃを用意してもらったので、お笑いのネタだと今もずっとわかんないと言われているんですが、映画だと意味がわからない、イメージの乱射を放ってもそれを斎藤くんとか監督が掴んでくれることが出来るじゃないですか。お笑いだと簡単にシュールだとか意味がわかんないって言われるんですが、意味がわからないけど、映像のいろんな面白いイメージを僕の中から出していきました。それは絵空事のようなことではなくてリアルな「ああいうことされてムカついた」とか「僕はこう思う」というのを込めまくって、斎藤くんが永野の精神が乗り移るような芝居をするんですけど、それをエディターとしても優秀な清水監督がひとつにまとめられたのか?というようなはみ出した作品になったので、これぞ自分が小さい頃から思っていた映画だ!と」

斎藤工さん
「言語化出来ないものを映画にするべきだと思うんですね。説明つかないから体験を共有してもらおうと。ATGの頃の映画みたいに。いろんな抑圧を受けて作るというか反発しながら作るというか」

永野さん
「僕はお金を払ったから答えをくれとか思いながら映画を観てないんですね。監督の思いとかを勝手に想像してました。例えば僕が勘違いして監督がインタビューとかで話していることと全くずれていても自分はこう思うということで満足なんです。『ブレードランナー2049』で結構答え分かっちゃってすっきりしたけどさびしくなってしまって。そういう映画が好きなヤツが作ったのでそういう映画になっちゃいました」

観客から
「メイキングとかも観てみたいんですが、そのあたりも含めて作品をDVD化される予定はないですか?」

斎藤工さん
「僕らも最初パンフレットを11月の末に向けて作ろうとしていて、ベーシックなものは出来たんですけど、試写も含めていろんな人に観ていただいてちょっと一筋縄ではいかないようなので、解読本みたいなものをちゃんと作るべきだと思ったんです。当初劇場で作るパンフレットを延期して今まさに内容を詰めたかなりこだわったパンフレットを作っています。DVDに関してはまだ決まってはいないんですが、確かにメイキングみたいなものは数年前から回していますので、難産であったことも含めて日本映画として形にしたいなと思っています。どうですか?永野さん」

永野さん
「DVDは出したいですけど、膨大な量のメイキングがありますし、このチーム万力で作った短編も4、5本あるんですよ。それをまとめられたらいいですね。どうせやるならとんでもないDVDにしたいですね」

斎藤工さん
「明日からヨーロッパに行きますが、いろんな映画祭のコンペティションに入って来ているので、海外で『MANRIKI』はどういうリアクションをもらえるのかというそのあたりもひっくるめたDVD、プログラムを作っていきたいなと。作った僕らも咀嚼出来ていないというか。本当に賛否両論あって。いろんなところに晒して大きくしたいです」

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永野さん
「それだけの自信と気持ちがこもっているので『MANRIKI』をこれから観て「なんだこれ?!」って思う人もいるかも知れませんが、それだけの映画を作りました。楽しんでください。笑うところは笑って下さいね」

斎藤工さん
「東京で受けた質問で若い男の子に「この映画は斎藤工さんにとって何のメリットがあるんでしょうか?」と言われました。深い質問だなと思って。自分で企画しているわけですから。板谷由夏さんに言われたんですが、「こういう役をやって欲しかった。今まであなたが演じた中で一番好きだ」って言ってくださって。僕もそう思っています。僕は『MANRIKI』に3年以上愛情を注ぎ過ぎて役作りは一切しなくて。そのものだったんです。僕と永野さんで二人で一つみたいな。とにかくこの作品が誕生した意味をこれから永野さんと共に世界中旅して、『MANRIKI』ってだから生まれたんだと確認してまた皆様のもとお返しに戻ってきたいと思います」

 

映画『MANRIKI』http://crush-them-manriki.com/ は
現在名古屋センチュリーシネマ他で公開中。

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